誤食・中毒について

中毒量はあくまで参考値となりますので記載量を下回る摂取量であった場合でも症状を示す場合があるため必ず動物病院まで確認するようにしてください。また自宅での食塩やオキシドールを服用させて嘔吐誘発する方法は合併症の報告も認められるため当院では推奨しておりません。

中毒物質の中には解毒剤に相当する治療法がない場合もありますが、適切な対症療法を早期に受けることで症状を緩和することが期待されるため、必ずお近くの動物病院に相談するようにしてください。

 

チョコレート 

中毒を起こす各チョコレート量の目安

予想される中毒症状
チョコレート中毒を起こす成分はカカオに含まれるメチルキサンチン系化合物であるテオグロビンやカフェインといわれています。またチョコレートは脂肪含有量が高いので膵炎を起こす可能性もあります。そのため、摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

 

ねぎ類、ニラ、ニンニク

中毒量 犬 玉ねぎ 5~30g/kg / 猫 玉ねぎ 5g/kg
(体重4kgに対して玉ねぎ・大サイズ1/12個、小サイズ1/8個)

予想される症状
血液中の赤血球が壊れてしまい貧血になります。一般的には摂取後48時間以降に症状が認められます。症状としては粘膜が薄い色になり、尿の色がオレンジ色〜赤色と濃くなり、貧血が重度の場合には輸血が必要になります。摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

ぶどう

中毒量の目安
予想される症状
・嘔吐・下痢などの消化器症状
・24〜48時間以降 急性腎障害

ぶどうの場合、大量のぶどうを摂取しても症状示さない場合もありますが、一方で4〜5粒程度の摂取でも中毒に陥る場合もあります。摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

タバコ

中毒量
ニコチン >1mg/kg
※タバコのパッケージに記載されているニコチン量は吸入時の摂取量であり、実際には10倍程度のニコチン量が含まれています。

予想される症状
摂取したニコチン量により症状は異なりますが軽症例では嘔吐、下痢、流涎、興奮などの症状、重症例では震え、痙攣、昏睡などの症状が認められ、体重1kg当たり1本以上の摂取量の場合には致死的な症状を示すことがあります。摂取から1時間前後で症状が認められ、また水溶性であることから自宅での飲水(牛乳などを含む)により症状が悪化する場合もあるため、摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

風邪ぐすり

中毒量
① アセトアミノフェン 犬 100-600mg/kg / 猫 50-100mg/kg
② イブプロフェン 犬 25-600mg/kg / 猫 12.5-300mg/kg

予想される症状
①アセトアミノフェンは軽症例では消化器症状が認められ、重症例では主に犬で肝障害、主に猫で貧血、チアノーゼ(メトヘモグロビン血症)が認められます。1時間以内に吸収されますが解毒・拮抗薬としてNアセチルシステイン(ムコフィリン)という薬があります。

②イブプロフェンは軽症例では嘔吐、下痢などの消化器症状、重症例では吐血、黒色便(メレナ)を伴う消化器症状や急性腎障害、さらに高用量を摂取した場合には痙攣、昏睡などの重篤な神経症状を示し、最悪の場合には致死的な症状を示します。一般的な中毒治療に加えて脂肪乳剤を用いた治療法も重篤度に合わせて行うことがあります。

摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

睡眠導入剤

中毒量
薬の種類によりますが不明な場合もあります

予想される症状
一般的に人医療で処方される睡眠導入剤としてベンゾジアゼピン系(デパス、リーゼ、リボトリール、ワイパックス、セルシンなど)、非ベンゾジアゼピン系(マイスリー、アモバン、ルネスタなど)があり、鎮静や興奮などの神経症状が認められます。深い鎮静、呼吸抑制などの重篤な症状を示す場合にはフルマゼニルという拮抗薬を用います。また肝障害などの副作用を示す場合もあります。摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

キシリトール

中毒量および予想される中毒症状
キシリトールガム1粒につき0.3〜1.3mgとして中毒量を算出してください。
キシリトールはガムやキャンディー、デンタル製品などに含まれる人工甘味料の一種です。摂取されたキシリトールは30分程度で血液中に到達し、重大な症状を引き起こします。そのため摂取から30分以内もしくは症状が来院時点で認められない場合であれば催吐処置や胃洗浄により摂取したキシリトールをある程度除去することができますが、キシリトールの吸収率は極めて高いため上記症状が現れている場合には催吐処置や胃洗浄は有効ではありません。この場合、症状に対する支持療法を直ちに実施しなければなりません。摂取してしまった場合には、まずはご連絡ください。

 

観葉植物(ユリなど)

中毒量 不明

予想される症状
摂取した植物により症状は多岐に渡りますが、一般的には嘔吐、下痢などの消化器症状を示すことが多いです。またユリ科植物に関しては猫に対して致死的な腎障害を起こし、花や葉の他に生けた花瓶の水を摂取することでも中毒症状を起こすと言われています。植物種により異なりますが摂取後1時間以内で症状を示す場合もあるため緊急的な対応が必要になります。摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。

 

保冷剤(エチレングリコール中毒) 

中毒量 犬での致死量 6.6ml/kg

予想される症状
保冷剤や不凍液などに含まれる可能性のあるエチレングリコールは、摂取量や摂取時間に大きく左右されます。摂取から2〜3時間で血中に到達し、摂取から4時間が経つと上記のような症状が現れ始めます。エチレングリコールの吸収率は比較的早く、摂取から短時間であれば催吐処置や胃洗浄が有効的ですが、摂取から数時間が経過している場合には、直ちに輸液やエチレングリコールの代謝阻害を目的としたエタノールの投与が必要となります。摂取してしまった場合には催吐処置や点滴、毒素吸着剤投与などの治療が必要になりますので、まずはご連絡ください。